黄色い予防接種手帳の活用
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(文末に拡大写真あり)
予防接種手帳をご存知でしょうか?
ドイツで産れた人はもちろん、日本出生でもドイツで予防接種を受けたことがある方はみなさん所持されているはずの黄色い予防接種手帳です。実は、日本にはこのような全国で統一された予防接種手帳というものがありません。あるのは母子手帳に組み込まれている予防接種記録で、小児用のみとなります。一方のドイツの予防接種手帳は、生まれてから大人になるまで共通で、生涯を通して一冊にすべてが記録されるためとても便利です。
この予防接種手帳は、ドイツで出生した際に母子手帳とは別に一人一冊かならず配布されます。その後は予防接種を受けるたびに医師が薬剤のラベルをはがしてこの手帳に貼り、日付とともに記録をしていってくれます。つまりその人が生まれてから受けたすべての予防接種の歴史を一覧することができる手帳なのです。これにより、数年後に再度受けなければいけない予防接種がある場合なども個人で容易に管理できますし、過去に何をいつ接種したのかの一貫した記録があることは介護の必要となった高齢者にも有用であることは間違いありません。また、けがの治療などで急を要する場合でも、医師は治療の際に―たとえば破傷風の予防接種をするべきかどうかなど―即座に判断をすることができるのです。
このように予防接種手帳は実際的に非常に役に立つものです。ドイツや日本では医療分野においてはこの証明ができないと勉学や就業ができない規定があるほど重要なことですが、手帳があれば何ということはありません。
しかし大事なのは、医療従事者という一部の人のみでなく、多くの人にとっても同様のはずです。たとえば海外転勤の際に医療にかかるときにはドイツで常識となっているこの予防接種手帳の携帯は大変便利です。母子手帳に記録されるくらいの小さなお子さんはお持ちであっても、そのような子供たちも年とともにどんどん成長していきます。大人から子供まで、継続的に何の接種をいつ受けたか(受けていないか)の記載ができるこの予防接種手帳を一人一冊持つことにより、渡航時の心配が一つ軽減されることでしょう。ドイツのこの予防接種手帳は、掛かりつけのホームドクター、お近くのAllgemein Arztに頼めば発行してくれますし、また薬局でも手に入ります。
ちなみに日本国内とドイツの予防接種については本ページに詳しくあります。日本国内では接種記録は居住地の行政区で管理しているところが多く、行政区が変わると記録ベースが変わってしまうのが現状のようです。一冊にすべてを記すようにすれば引越しても安心です。まだお持ちでない方は、大人も子供もそれぞれ一冊ずつ、この機会にぜひ予防接種手帳を作っておいてください。
(2017年1月現在)
執筆:柏原 誠氏(シャリテ−・ベルリン医科大学国際課事務)









