ドイツで歯科を受診する
日本とドイツとの違いのポイント
・保険制度と適応範囲の違い
・親知らずに対しての考え方
・書類へのサイン
・歯の掃除
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公的保険でカバーされる範囲
ドイツの歯科と、日本の歯科の最大の違いは保険制度です。
日本では保険治療がかなりの範囲で治療をカバーしてくれます。
問診票を見ますと、患者さんもほとんどの方々が保険でできるものはなるべく保険でお願いします、という項目にチェックしています。
一方、ドイツは保険治療はほとんど最低限の範囲になることが少なくありません。
そのため、虫歯を削った後に、詰める材料も患者さんに選んでもらうことになります。
用いる材料の違い
この場合、ドイツでは詰める材料は保険診療ですとセメントになりますす。
しかし、この材料は長期間はもちません。ドイツでは金属はセラミックよりも高価なので少なく、そのため自費でセラミックインレーを入れることが多いようです。
一方、日本では保険で金属のインレーやクラウンを入れることができます。
日本の保険適応の金属は金銀パラジウム合金。ドイツでは使われていない金属です。
自費負担となる処置の例
また、神経を取る根管治療も日本では保険適応、ドイツでは顕微鏡や機械を使った精密な根管治療になると自費になります。
歯周病予防の歯のお掃除はドイツでは自費になります。
日本でも、インプラント、歯列矯正、審美歯科などは自費になります。
親知らずについて
ドイツは口腔外科が盛んで、親知らずなども年齢の低いうちに、全身麻酔などで抜くことが多いようです。日本人はわりと親知らずを抜いていない人が多いので、ドイツ人の先生は驚かれるようです。
抜歯後の処置
抜歯後の患者さんへの注意も日本とドイツでは違います。
日本では抜歯後は湯船に長時間つからないで下さい、などと言いますが、ドイツでは夜にお風呂に入る人がいないのが全くそのようなことは言いません。その代り、乳製品は食べないようにして下さいと言われることがあります。
抜歯後に抗菌薬や痛み止めの薬が処方されないことも少なくありません。
治療前の書類サイン
ドイツでは、治療を開始する前に様々な同意書にサインを求められることが少なくありません。
例えば、局所麻酔のリスクについての理解をしました、と言うような。また、自費診療がメインなので、治療費の見積もり書にサインをすることが一般的です。
日本に比べてドイツは診療の際に書類の多い国といえます。
セカンドオピニオンについて
日本もドイツでも言えることですが、歯科医院によって治療方針が異なることがあります。万が一、治療方針に納得がいかない場合は他医院でセカンドオピニオンを聞くのも可能です。
歯の掃除
ドイツでは、定期的な歯のお掃除が徹底しています。それは日本人にもぜひ普及していけば良いなと思う習慣です。
大庭 美和子 先生(東京の千代田ファーストビル歯科院長、パダーボルンにて歯科診療をなされていました)
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役に立つドイツ語
* 一般歯科 Allgemeinzahnmedizin
* 口腔外科 Zahnärztliche Chirurgie
* 歯列矯正科 Kieferorthopädie
* 歯周疾患学 Periodontologie
* 予防歯科 Zahnaerztliche Praevention
* 歯科補綴学 Zahnaerztliche Prothetik
* 歯 Zaehne
* 永久歯 bleibende Zaehne
* 乳歯 Milchzaehne
* 歯肉 Zahnfleisch
* 舌 Zunge
* 歯痛 Zahnschmerzen
* 炎症 Entzündung
* 出血 Blutung
* レントゲン撮影 Roentgenaufnahme
* 局所麻酔 Betaeubung、Lokalanaesthesie
* ラバーダム Kofferdam
* 歯周病の予防 Parodontalprophylxe
* フッ素塗布 Fluoridierung
* 虫歯 Karies
* 詰め物 Fuellung
* インレー Inlay
* クラウン Krone
* ブリッジ Brücke
* 義歯 Prothese
* インプラント zahnärztliche Implantologie
* 歯内療法 Endodontie、dieWurzelbehandlung
* 歯垢 Plaque、Zahnbelag
* 歯石 Zahnstein