里帰り出産、それともドイツで出産
今、ドイツでの出産を考えてみませんか?
・ドイツでの出産のための入院は3日間です
・ドイツでは普通に夫婦でお産に望むことができます
・里帰り出産では数カ月の別居生活になります
・乳児の最初の成長過程をご主人と共有することが大切です
・夫婦のきずなは一緒に乗り越えることによって深まります
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それには理由があります。
・里帰り出産は楽かもしれません、でも
海外で妊娠となると まずどうしても 出産をその地でするか 日本に帰ってするか悩むところと思います。日本では妊婦さんが実家に帰って実の親にお世話になりながら出産をするという伝統的習慣がありますので この里帰り出産というのが選択肢に入ってきます。初めての出産ということだけでも不安が大きいのに、言葉や習慣の違いがさらに不安を募らせます。日本の親からは帰ってきなさいといわれて帰る人の気持ちもわかります。
・ドイツの出産のための入院は3日間
お産はほんの一日の出来事です。病院での生活も今のドイツの基準では3日間です。ドイツの医療レベルは 日本とまったく変わりありません。たらいまわしの問題もなければ 緊急時の対応のすばやさは見事です。
・ドイツでは夫婦でお産に望む体制が確立
夫婦でお産に臨むべきという体制は確立していますので、ご主人がお産のために休みを取りやすくなっています。育児休暇も保障されています。産後体が思うように動かせず家事に少々お手伝いが必要かなというのは せいぜい2・3週間です。初めてのお子さんなら ご主人が少し時間を取っていただければ 二人で乗り越えれます。
・里帰り出産では数カ月の別居生活に
もし里帰りになると 半年ぐらいの別居になります。この間にお母さんは出産育児と劇的な変化を経験することになりますが これはご主人にとってはまったく理解できません。写真や動画を送ろうが 絵に描いた餅でまったく実感が伴いません。2−3ヶ月の赤ちゃんの成長、変化はものすごく これをお父さんとして経験できません。2,3ヶ月で赤ちゃんの生活リズムが整ってきますが この頃にドイツに戻ってきてやりなおし、さらには新米お母さんとしてはドイツでの生活環境を整えていかないといけないので重圧がかかります。
・夫婦の絆が深まります
夫婦として絆は 夫に迷惑がかかってはいけないではなく いっしょに乗り越えていくことにより深まっていきます。
日本には単身赴任という概念も根強くありますので 半年の別居も仕方がないと考えるかもしれませんね。日本人同士としては日本的概念を共有していますので 里帰り出産と言っても 夫婦の亀裂までは行かないのでしょうか
・国際結婚カップルには特に大切
でも いわゆる国際カップルの方、日本人奥さんで ドイツあるいは他の国のご主人、この方々には里帰り出産は本当にお勧めできません。子供をめぐって生活、感覚の細かなことが違いとして浮かび上がってきます。半年間たっぷりと日本の生活環境につかり 子供をつれて戻ってきてもこちらの感覚がわからず 戸惑いが大きいです。
いっしょにいなかった期間 お母さんは出産赤ちゃんとの生活とドラマチックな変化を経験しているのに それをご主人と共有できません。戻ってきてからもお母さんとしては赤ちゃんのことが生活のすべての中心ですので それをご主人がどこまで理解して受け入れてもらえるか疑問です。
溝は溝として残り、場合によってはそこから夫婦の亀裂が始まることは充分考えられます。ただでさえ育った環境、風習、文化が違う二人ですので 大変な時ほどいっしょに過ごし、いっしょに乗り越えてお互いの理解をさらに深め、良き母親、良き父親となって良き家庭を築いてください。
中川フェールベルク美智子先生(産婦人科・デュッセルドルフ)
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役に立つドイツ語
* 妊娠しています。 Ich bin schwanger.
* 妊娠検査薬 Schwangerschaftstest
* 産婦人科医 Frauenarzt
* 妊婦検診 Schwangerschaftsvorsorge
* 出産予定日 Geburtstermin, Entbindungstermin
*(無痛分娩のための)硬膜外麻酔 Peridural Anästesie (PDA)
* 陣痛 Wehen
* 出血 Blutung
* 破水 Blasensprung
* 助産師 Hebamme
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