糖尿病の基礎知識
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● 定義
血糖値を下げるホルモンであるインスリンの作用が低下することによって血糖値が高い状態が続き、様々な合併症が引き起こされる疾患群です。
● どんな病気ですか?
糖尿病には2つのタイプがあり、1型はインスリンを作る細胞が破壊されて起こり、2型はインスリンの分泌や効果が低下することによって起こります。その他様々な代謝・内分泌異常による疾患、遺伝子異常、妊娠などでも見られます。
● 診断の基準
主に空腹時血糖126mg/dLもしくは随時血糖200mg/dL、HbA1c 6.5%以上で糖尿病と診断されます。
さらに糖尿病と診断されたら、合併症の有無についての精査が大切です。代表的な合併症として眼(網膜症)、腎臓(腎症)、神経(神経障害)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、脳血管障害(脳梗塞)、閉塞性動脈硬化症、高血圧症、歯周病などがあります。
● 治療の方法は
基本は食事療法と運動療法です。さらに、人によっては血糖を下げる飲み薬やインスリン注射を用いて血糖コントロールを行います。
● 治療の目標は
コントロールの目標は合併症の有無、程度によって異なります。また、合併症に対する治療も併行して行う必要があります。さらに、歯周病が血糖コントロールの妨げになることがありますので、必ず歯科治療も行うようにしましょう。
執筆:森由紀子先生(ドイツ在住の日本の内科医、専門は腎臓疾患、糖尿病)